2011年5月1日日曜日

青果物の鮮度保持へのアドバイス

           
       ~3作用「呼吸作用・蒸散作用・エチレン作用」を考慮して~




寺田 秀三
福岡大同青果株式会社 コンプライアンス室兼特命業務担当部長

昨年の炎暑が終わらぬ9月24日、「アグリコラボいとしま」と題した第一回目のワークショップが九州大学伊都キャンパスで開催されました。

主催者は糸島農業産学連携推進協議会という少し堅そうなネーミングの団体。

                  (写真:寺田秀三部長)


 糸島郡志摩町でハーブを栽培している久保田さんは、日本農業大賞天皇杯を受賞されるほどの凄腕。福岡県内はもとより全国的にも有名な生産者。この協議会の会 長を務める久保田さんとは、20年以上の付き合いをさせていただいているというご縁から、私も話題提供者として参加させていただきました。

テーマは「鮮度保持」ということで、生産者、流通業者、消費者、研究者の四者がそれぞれの立場から「鮮度」について意見を述べ、それに対して参加していただいた皆さんから質問などを頂戴し、問題を考えていこうという趣旨でありました。

そこで鮮度について考えてみます。
  
青果物の鮮度を考えた場合、収穫時を100とすると、その後は必ず低下します。

■原因の一つ目は呼吸作用。

収穫後、水分や養分の供給がないのに呼吸作用だけが活発に続くので品質劣化が進むのです。なかでも鮮度劣化が激しいのがスイートコーン。市場では収穫した翌朝に卸売しますが、その日の内に小売店で販売していただかないと鮮度劣化が著しく進みます。

「ブロッコリー・ほうれん草・アスパラガス」なども呼吸作用の影響を受けやすい野菜。「じゃがいも・玉葱・さつまいも・にんにく」などの土物類は呼吸量が少ないので鮮度劣化は少ないようです。

■二つ目は蒸散作用。

野菜は約9割が水分なので、重量的に3~5%の水分が失われると葉に萎れ(しおれ)がでます。さらに進むと色が変わるなど、目で見て分かる状態になります。

■三つ目にエチレンという気体の植物ホルモン。

果実に多いのですが、リンゴが出すエチレンガスはキィウイの熟度を進めます。輸送するときや保管するとき、青果物の組み合わせが悪いと熟度が進み、過熟させてしまうことがあります。
というわけで、「呼吸作用・蒸散作用・エチレン作用」の三点が「鮮度保持」の大きなポイント。

■もう一つありました。収穫後の野菜は横にすると上に立ち上がろうとします。

人の手により土から離されても、なお成長しようとします。そこで、成長点が上を向くように、段ボール箱の中に立てて収納し、そのままの状態で輸送・保管することが望ましいのです。

青ねぎや軟弱野菜である「ほうれん草・シュンギク」なども立てて輸送し、市場の冷蔵庫でも立てて保管します。青葱などは横にすると、根元が曲がってしまい、鮮度も低下し、見た目も悪くなります。

ところで、これは収穫後ではありませんが、仙台に「曲がりねぎ」という白葱があり、あえて曲げることで旨みを引き出す栽培方法もあります。

野菜の生理活性や蒸散作用、成分変化などは低温によって効果的に抑制されますが、野菜の中には、低温によって変質、腐敗などの低温障害が発生するものがあるので要注意。

「じゃがいも・さつまいも」などの土物、それに生姜は風邪をひくといわれますので、常温で保存してください。バナナも冷蔵庫に入れたら風邪をひきますから注意が必要です。

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