2011年4月29日金曜日

鳥取・奥大山で原木しいたけ栽培に夢を賭ける



「SAC 中尾 椎茸屋=代表・中尾和仁さん」は鳥取県・奥大山の江府町で椎茸と干したけのこの生産・販売をしています。

鳥取県ふるさと認証食品の乾し椎茸「中尾さんちの乾椎茸」と干したけのこ「干しの王子様」の認証を受けています。

私が「SAC 中尾 椎茸屋」に注目したのは空気と水を大切にして自然環境を守ろうという姿勢であった。中尾和仁さんはこう続けた。「自然環境に配慮しながら生産活動です。

これまでは、いいしいたけを栽培することだけを考えていましたが、今は昔と大きく状況が変わってきています。そこで食の安全や安心、そしてこれからの食のあり方を考えたとき、その時代のニーズや環境問題を意識することなく生産活動は出来なくなりました。

こうした考え方で栽培に取り組むようになってから、これまでになかった素晴らしい考え方の方々とたくさん出会えるようになりました。そこで多くの知恵と気付きをいただくことができました。そして実際に消費してもらったみなさんにホンモノの味と感動を味わってもらいたいという願いで栽培に取り組んでいます」という。

「SAC中尾椎茸屋」はTEAS(テス)鳥取県版環境管理システムに登録された。TEASとは鳥取県版環境管理システムで、
Tottori prefecture Environmental Audit and Scheme
(鳥取県)         (環境)     (監査)   (計画)
の略称で、県内の中小企業等の環境配慮活動への取組みを容易にするため、鳥取県が一定の基準を設け、環境配慮活動を審査登録・公表する独自の制度として、鳥取県版環境管理システム(愛称『TEAS(テス)』)を創設し、多くの県民の方々が取組んでいる制度。

ところで中尾さんにズバリしいたけの原木栽培と菌床栽培の食味上の違いを質問すると、「いい悪いではなく魚にたとえると天然ものと養殖もの」の違いだと説明してくれた。

(写真:SAC中尾椎茸屋・代表の中尾和仁さん)

 さて日本では「しいたけ品質表示基準」で、食品としての「しいたけ」を「しいたけ菌の子実体であって全形のもの、柄を除去したもの又は柄を除去し、若しくは除去しないでかさを薄切りにしたもの」と定義している。

古来日本では古くから自生していたものの、栽培は不可能で自生したものを採集するしかなかった。その一方で精進料理において出汁を取るためには無くてはならないものであった。しいたけは和食のだしの三要素ともいわれる。

江戸時代から、原木に傷を付けるなどの半栽培が行われ始めた。しいたけ菌が原木に付着してしいたけの生育が見られるかどうかは全く不明であり、しいたけ栽培は成功した場合の収益は相当なものであったが、失敗した場合は全財産を失うほどの損害となる一種の博打だった。

人工栽培の方法は20世紀に確立されたが、最近では原木栽培または菌床栽培されたものが市場流通品のほとんどを占める。そこで商品に必ず原木栽培品か菌床栽培品かを表示することが義務付けられている。

いまでは人工栽培の方法が諸外国にも普及しているものの、日本産干し椎茸は本場ものとして台湾、香港などで人気があり、各地の業者が輸出をしている。

原木は秋から初冬に伐採し、過度な乾燥を避け保管し翌早春に種菌を接種をする。種菌を接種した原木は、約1年を森林の下に寝かせ菌糸体の蔓延を待 つ。種菌の接種から16~18ヶ月経過後にほだ場と呼ばれる栽培場所に移し、柵に立てかけるように原木を並べて子実体の発生を待つ。子実体が発生するの は、通常種菌を植え付けてから18~24ヶ月後で、3~4年間収穫(採集)が可能である。

品種改良が進んでおり、しいたけが発生するのに最適な時期はそれ ぞれの品種によっても異なっている。その地域の気候に最も適した品種を選択すべきだろう。

しいたけの生産量の多いのは大分県、徳島県、鳥取県、熊本県、宮崎県、群馬県、栃木県、静岡県、長崎県、岩手県、秋田県などで栽培が盛んである。干し椎茸は大分県が、生椎茸は徳島県が日本一の産地である。

近年は国産しいたけが見直され、国産品の需要は増加傾向にあるが、生産コストや労働力の不足などの問題から衰退しつつある。特に、原木伐採に関わる労働力は高齢化などにより急速に減少し、原木不足が深刻化している。


中尾さんは鳥取県西部から山陰地域をターゲットに販売に取り組んでいる。
原木しいたけ栽培は確かに生産者の高齢化や安価な輸入物に押され、生産者・生産量とも激減して来ている。原木しいたけが再度本来の適正価格で流通することを願って、後に続く人のために安くは卸さないと奮闘中だ。


価格の目安は100gが300円、200gが600円、300gが900円。 会員、リピータの方等はいくらか安くなる。

先日、2パックが中尾さんから届いたので、スーパーで買ってきた菌床栽培しいたけと食べ比べをした。食感といい香り食味では比較になりません。肉厚の歯ざわりのいい感触、芳醇な風味が違いました。やはりホンモノの味は違うなぁと思いました。価格の安いものにまともな商品ができるわけがありません。消費者はそのことに気付きだしたのではないでしょうか。

また冬季季節限定ですが、雪かぶりシイタケ はいかがですか? 雪の中で健気にそして逞しく育ったしいたけは最高に美味しい。昨年末からホダ場は記録的な大雪になった。そんな雪の中でも115菌のしいたけは脈々と生き続けた。ぜひ一度、雪かぶり野菜同様寒さの中でたっぷり“うまみ”を蓄えたしいたけを是非一度ご賞味下さい。